かけはぎ・かけつぎ
かけはぎ(かけつぎ)は”生地の糸をひとつひとつ紡ぎ、穴・傷を修復する日本伝統の特殊職人技です!
お気に入りの大切なお洋服を長く着る為に是非ご活用下さい!




「かけはぎ」(関西地方では「かけつぎ」)とは、お洋服の穴や傷・破れを同じ生地(共布)を生地の裏側で組み合わせて、ひとつひとつの繊維をつむぐことにより、修復させる特殊職人技術です。かけはぎで、洋服の穴(虫食い、タバコ穴、擦り傷)により、着れないでいるお洋服を限りなく現状に近い状態に復元します。かけはぎ(かけつぎ)は大切な服の穴や破れを一番綺麗に修復することが出来る方法です。修理の事例をたくさん掲載しております(かけはぎ事例はこちら)ので、是非ご欄下さい。


薄手のストールの複数の糸引を、かけはぎで修復致しました。


ドット柄のスラックスの膝の破れをかけはぎで修復致しました。


毛足のあるウールコートの虫食いをかけはぎで修復致しました。
☑どのくらい綺麗に仕上がるのか?
かけはぎは、スーツやコートの穴を修復する為の最適な修理方法です。修理の痕が全くわからなくなる場合もあります。ところが、『傷がある個所』と『使用する共布』の状態、『品物の生地の種類』に拠り、修復の度合が変わってまいります。(誤解があってはいけませんので、)『新品の状態には戻らない』とご認識下さいませ。
修復の度合は、以下のいずれかの状態になります。
[レベル1]➡修理箇所を指し示しても、修理したことが分からない状態
[レベル2]➡人との通常の距離間において、修理箇所に視線がいっても、修理したことが認識できない状態(修理箇所が人の視線をとめることがない状態)
[レベル3]➡人との通常の距離間において、修理箇所に視線がいけば、修理したことが認識できる状態(修理箇所が人の視線をとめる)
[レベル4]➡遠目でもわかる状態
◎レベル4の状態は、事前に予測がつきますので、おすすめできない旨をお伝えさせて頂いております。
◎修理痕を許容できる基準は、お客様により相違しますので、誤解がありませんように、「修理箇所の周辺に薄く筋が残る」とご認識下さい。また、当ホームページにかけはぎの修理事例を沢山掲載しております。痕が残っているものから痕が分からないものまで、掲載しておりますので、気に入って頂けましたら、是非ご用命くださいませ。
☑修理痕が残りやすい服
- 硬い生地
- 裏と表の色が違う生地(横糸と縦糸の色が相違する)
- 光沢のある生地
- 礼服
- 色が薄い生地
- 色あせしている生地(共布は色あせしていませんので、色の差がでます)
- ドスキン(非常に細かい斜め織りの生地です。礼服によく使用される硬くて光沢のある生地)
- サージ(学生服によく使用されている生地)
- シルク(修理できない場合があります)
☑いくらかかるか?(料金)
かけはぎをする範囲で金額が決まります。
(➊+➋+❸+➍)×1,000円(税別)=修理金額
◎破れ・穴・摩耗している箇所の上下左右から、それぞれ5ミリのところを四角で囲みます。その四角の辺の合計値に1,000円を掛け合わせた金額が、修理金額となります。
◎穴の周りも生地が薄くなり弱っていることがあります。弱っている箇所は、生地をほぐして糸の状態にすることができませんので、弱っている箇所もかけはぎを行う必要があります。その為、弱っている箇所の端から測定することになります。

☑共布を紛失しても修理ができます。
かけはぎ(かけつぎ)は、品物を購入した際にポケットなどに入っている端切れ(品物と同じ生地のハギレ=「共布」)を使用して修理を行います。共布を紛失してしまった場合、ズボンの裾の内側、ポケットの中、などから共布を調達して使用します。ジャケットの修理で共布がない場合は、パンツをご用意下さい。
☑割増料金が発生するケース
- 共布(=品物と同じ生地のはぎれ)がない場合、裾・ポケットの中・身頃の見返しなどから調達します ➡ +¥1,000(税別)~
- 衿、肩などほどいて加工したあとの修復に手間がかかる場合 ➡ +¥1,000(税別)~
- 他店で修理した箇所を再加工する場合 ➡ 2倍